18㎡でも快適。光あふれるパリのワンルーム
たった3カ月で狭いアパルトマンは快適な空間に大変身しました。
フランス・パリ。20世紀初頭に建てられた贅沢な建物の3階に、広さ18平米のワンルームがあります。
オーナーの男性が購入した時、この部屋は徹底的なリノベーションが必要な状態でした。でも、中庭を見下ろせる大きな窓からは、ふんだんに光が注ぎ、とても明るかったそうです。
オーナーは、インテリアデザイナーのララ・グランドにリノベーションを依頼しました。彼女は、この古めかしいアパートをシックで快適なワンルームへ生まれ変わらせるとともに、できるだけ多くの収納を設けることで、隅々まで有効活用できるようにしました。グランドはおよそ362万円(30,000ユーロ)以内の予算で、3カ月という短期間でリノベーションを成し遂げたのです。
オーナーの男性が購入した時、この部屋は徹底的なリノベーションが必要な状態でした。でも、中庭を見下ろせる大きな窓からは、ふんだんに光が注ぎ、とても明るかったそうです。
オーナーは、インテリアデザイナーのララ・グランドにリノベーションを依頼しました。彼女は、この古めかしいアパートをシックで快適なワンルームへ生まれ変わらせるとともに、できるだけ多くの収納を設けることで、隅々まで有効活用できるようにしました。グランドはおよそ362万円(30,000ユーロ)以内の予算で、3カ月という短期間でリノベーションを成し遂げたのです。
当初の間取り
「オーナーはこのアパートの可能性に気づいていませんでした。狭く見えるのは、玄関を入ってすぐのところで、窓のない小さなバスルームと、変わった形の小さなキッチンという2つのエリアに仕切られていたせいで、大きな窓を十分に活用できていなかったんです」と話すグランド。
「以前の間取りは、全体で18平米という空間のうち、無駄なスペースである玄関ホールに3平米近くも使ってしまっていました。所有者である若い男性は、『キッチン・バスルーム・リビング・寝室を明確に分けたい』と希望していましたが、いい間取りを思いつけず、私に連絡をくれたのです」
インテリアデザイナー・コーディネーターを探す
「オーナーはこのアパートの可能性に気づいていませんでした。狭く見えるのは、玄関を入ってすぐのところで、窓のない小さなバスルームと、変わった形の小さなキッチンという2つのエリアに仕切られていたせいで、大きな窓を十分に活用できていなかったんです」と話すグランド。
「以前の間取りは、全体で18平米という空間のうち、無駄なスペースである玄関ホールに3平米近くも使ってしまっていました。所有者である若い男性は、『キッチン・バスルーム・リビング・寝室を明確に分けたい』と希望していましたが、いい間取りを思いつけず、私に連絡をくれたのです」
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新しい間取り
「この部屋を分析してみて、真っ先に排水ダクトをなんとかしなければと考えました。アパートのほぼ中央に不自然に配置されていたこのダクトが、バスルームとキッチンの場所を決めてしまっていたのです」とグランドは言います。
「部屋の明るいほうにリビングのエリアを、直射日光から離れた場所に寝室エリアを配置しようというのが私のプランでした。ですがこの部屋の場合、通路を設けたり窓を犠牲にしたりすることなく、配管やダクトなどの設備的なものをうまく収められるかどうか、想像するのは難しいことでした」
「そこで、中央にバスルーム用の箱をつくり、そのまわりにキッチンを配置することにしました。この間仕切りによってできた通路は、アパートの奥の、光があまり入らない場所に位置しています。そこに玄関、バスルーム、寝室の3方向からアクセスできる大型の収納ユニットを設置しています」
「この部屋を分析してみて、真っ先に排水ダクトをなんとかしなければと考えました。アパートのほぼ中央に不自然に配置されていたこのダクトが、バスルームとキッチンの場所を決めてしまっていたのです」とグランドは言います。
「部屋の明るいほうにリビングのエリアを、直射日光から離れた場所に寝室エリアを配置しようというのが私のプランでした。ですがこの部屋の場合、通路を設けたり窓を犠牲にしたりすることなく、配管やダクトなどの設備的なものをうまく収められるかどうか、想像するのは難しいことでした」
「そこで、中央にバスルーム用の箱をつくり、そのまわりにキッチンを配置することにしました。この間仕切りによってできた通路は、アパートの奥の、光があまり入らない場所に位置しています。そこに玄関、バスルーム、寝室の3方向からアクセスできる大型の収納ユニットを設置しています」
After
現在、キッチンはゲストをもてなす場としてだけでなく、玄関からの通路としても機能しています。組み立て式のキャビネットを、バスルームによってできた中央の壁に取り付けています。キャビネットを白いラミネートで仕上げることによって空間が明るくなり、人工大理石のバックスプラッシュを際立たせています。反対側へ抜けると、キッチンはコーナーに沿って奥へと続き、ダイニングテーブル、デスク、調理台として使えるカウンターがついています。
「クライアントは物件を初めて購入したため予算はタイトでしたが、アパートに個性が欲しいと希望していたのでデザインには特にこだわりました」とグランドは話します。
「キッチンには、60cm×60cmの大理石風セラミックタイルを使ったバックスプラッシュと、角の多い空間を和らげる丸いシンク、調味料や調理器具を置くメタルバー、ヘアライン仕上げの真鍮バスケット、そして夜になると壁に美しいフォルムを映し出すワイヤー製ペンダントライトなど、細部にもこだわりました」
真鍮製の装飾品とワイヤー製ペンダントライト:メゾンデュモンド
現在、キッチンはゲストをもてなす場としてだけでなく、玄関からの通路としても機能しています。組み立て式のキャビネットを、バスルームによってできた中央の壁に取り付けています。キャビネットを白いラミネートで仕上げることによって空間が明るくなり、人工大理石のバックスプラッシュを際立たせています。反対側へ抜けると、キッチンはコーナーに沿って奥へと続き、ダイニングテーブル、デスク、調理台として使えるカウンターがついています。
「クライアントは物件を初めて購入したため予算はタイトでしたが、アパートに個性が欲しいと希望していたのでデザインには特にこだわりました」とグランドは話します。
「キッチンには、60cm×60cmの大理石風セラミックタイルを使ったバックスプラッシュと、角の多い空間を和らげる丸いシンク、調味料や調理器具を置くメタルバー、ヘアライン仕上げの真鍮バスケット、そして夜になると壁に美しいフォルムを映し出すワイヤー製ペンダントライトなど、細部にもこだわりました」
真鍮製の装飾品とワイヤー製ペンダントライト:メゾンデュモンド
キッチンカウンターは排水ダクトを隠すための間仕切りまで続いており、中庭を見下ろす2つの大きな窓が活かされたリビングエリアの輪郭もかたどっています。
グランドは窓に面した壁を白いままにすることで、できるだけ多くの光を反射できるようにしました。そしてそこに、新しいフローリングと相性のいいオーク材のウォールシェルフを2つと、丸いペグを2つ飾り、ラジエーターも設置しています。
奥に見える壁の色はライトグリーンに。小さなスペースに個性を持たせることで、空間にコントラストを生み出しています。
グリーンの塗料:ファローアンドボールのグリーンブルー
フローリング:ライトオークのラミネート材
グランドは窓に面した壁を白いままにすることで、できるだけ多くの光を反射できるようにしました。そしてそこに、新しいフローリングと相性のいいオーク材のウォールシェルフを2つと、丸いペグを2つ飾り、ラジエーターも設置しています。
奥に見える壁の色はライトグリーンに。小さなスペースに個性を持たせることで、空間にコントラストを生み出しています。
グリーンの塗料:ファローアンドボールのグリーンブルー
フローリング:ライトオークのラミネート材
人形の家ほどの小さなスペースが、立派なリビングルームに大変身。デザイナーであるグランド自身でさえ、この部屋の狭さを見事に補うデザインに驚きを隠せなかったといいます。
「アールデコの壁紙、縦のラインが入ったガラスウォール、収納もできるベンチ、薄型テレビの置かれた本棚、そして美しい二重カーテン。色とグラフィックにこだわりました」と彼女は話します。
ベンチはMDF材を使用した特注品に色を塗ったもので、彼女のプランにより予想よりも安く仕上がりました。「130cm×60cmのベビー用マットレスを使ったんですよ」とグランドは笑いながら話します。
テレビはこのままでは見づらいので、調整可能なアームを取り付ける予定だとか。
「アールデコの壁紙、縦のラインが入ったガラスウォール、収納もできるベンチ、薄型テレビの置かれた本棚、そして美しい二重カーテン。色とグラフィックにこだわりました」と彼女は話します。
ベンチはMDF材を使用した特注品に色を塗ったもので、彼女のプランにより予想よりも安く仕上がりました。「130cm×60cmのベビー用マットレスを使ったんですよ」とグランドは笑いながら話します。
テレビはこのままでは見づらいので、調整可能なアームを取り付ける予定だとか。
照明のデザインにもこだわりが。案件の規模にかかわらず、自身が手がけるどのプロジェクトにおいても照明は不可欠なものというのが、グランドの考えです。
通路にある埋め込み式のスポットライトは、各スペースにあるインテリア要素の高いさまざまな照明器具と交互になるよう取り付けられています。玄関と2つの窓の間には、2方向を照らすディアボロ(ジャグリングで使うコマ)の形をしたウォールランプ、キッチンには、ワークトップを照らすワイヤー製シャンデリア、ヘッドボードには調整可能なウォールランプを2つ。そしてリビングには、ベンチコーナーを明るく照らす上品な真鍮製ペンダントライトが取り付けられています。
壁紙:ファームリビングのアーチミント(Arch Mint)
真鍮製ペンダントライト:メゾンデュモンド
通路にある埋め込み式のスポットライトは、各スペースにあるインテリア要素の高いさまざまな照明器具と交互になるよう取り付けられています。玄関と2つの窓の間には、2方向を照らすディアボロ(ジャグリングで使うコマ)の形をしたウォールランプ、キッチンには、ワークトップを照らすワイヤー製シャンデリア、ヘッドボードには調整可能なウォールランプを2つ。そしてリビングには、ベンチコーナーを明るく照らす上品な真鍮製ペンダントライトが取り付けられています。
壁紙:ファームリビングのアーチミント(Arch Mint)
真鍮製ペンダントライト:メゾンデュモンド
200cm×200cmの寝室エリアはリビングの後ろに作られ、ガラスウォールで仕切られています。特注品の間仕切りにかかった費用はおよそ6万円(500ユーロ)と、意外にも低予算で完成しています。
グランドは、リビングが少し狭くなるとしても、この向きにベッドを置くことに決めました。「こうすればベッドから窓の外の景色がよく見えますし、煙突用のダクトの脇に、ナイトテーブルとしても使える本棚を作ることができますから。それに、バスルームとクロゼットにつながる60cm幅の通路を作れるようにもなりました」と話します。
写真の右側に写っているのは、玄関側からも利用できるクロゼット。その正面は、新しいバスルームへとつづくポケットドアになっています。
ポケットドア:スクリーニョ
ヘッドボードの塗料:ファローアンドボールのオーバルルームブルー
写真の右側に写っているのは、玄関側からも利用できるクロゼット。その正面は、新しいバスルームへとつづくポケットドアになっています。
ポケットドア:スクリーニョ
ヘッドボードの塗料:ファローアンドボールのオーバルルームブルー
およそ80cm×80cmのシャワーブースを組み込んだL字型のレイアウトに、薄型の洗面台と壁掛けトイレ、超薄型の40リットル給湯タンクを設置して、空間を最大限に活用しました。若い所有者は、壁にメトロタイル、床には黒と白の磁器タイルを選びました。照明付きの丸い鏡が、角の多いバスルーム内に美しいコントラストを生み出しています。
一番の見どころは、バスルームの間仕切りの裏に設けられたリネン庫。グランドは、洗濯機を収納する60cm×60cmのニッチを備えるリネン庫を作りました。
高性能な消費計算機能付40リットル超薄型給湯タンク:アリストン
セメントタイル調フロアタイル:ルロワ・メルラン
壁掛けトイレ:ギーベリッツ
一番の見どころは、バスルームの間仕切りの裏に設けられたリネン庫。グランドは、洗濯機を収納する60cm×60cmのニッチを備えるリネン庫を作りました。
高性能な消費計算機能付40リットル超薄型給湯タンク:アリストン
セメントタイル調フロアタイル:ルロワ・メルラン
壁掛けトイレ:ギーベリッツ
新しいデザインのアパートは、2.74m×60cm×60cmの、天井から床まであるクロゼットが3つと、収納付きベンチ、収納付きベッドがあることが特徴となっています。
グランドは、リノベーションでインテリアデザイナーができることについて、こう語ります。
「まずスケッチでクライアントの希望や好みを把握し、プロジェクトを監督しているあいだずっと、それを絞り込んでいきます。この作業が、最終的な視覚的効果を本当の意味で最適にしてくれるんです。完成を見て、『もっと費用がかかったのでは?』とよく聞かれますが、そんなことはありません。なぜなら私は職人と価格を交渉し、顧客の時間を節約しているから。たった3ヶ月で滞りなく今回の仕事を完成させるために、やったことです」
全て40㎡以下。パリにある5つのおしゃれなリノベーション
グランドは、リノベーションでインテリアデザイナーができることについて、こう語ります。
「まずスケッチでクライアントの希望や好みを把握し、プロジェクトを監督しているあいだずっと、それを絞り込んでいきます。この作業が、最終的な視覚的効果を本当の意味で最適にしてくれるんです。完成を見て、『もっと費用がかかったのでは?』とよく聞かれますが、そんなことはありません。なぜなら私は職人と価格を交渉し、顧客の時間を節約しているから。たった3ヶ月で滞りなく今回の仕事を完成させるために、やったことです」
全て40㎡以下。パリにある5つのおしゃれなリノベーション
どんなHouzz?
居住者:若い男性
所在地:フランス、パリ
面積:約18平方メートル
工期:2017年(3カ月間)
インテリアデザイン:Lara Grand Studioのララ・グランド
予算:リノベーションに約301万円(25,000ユーロ)+家具および装飾に60万円(5,000ユーロ)