「小さな和庭」が持つ、大きな存在感を楽しもう
和風の庭を眺めながら豊かに暮らすーーそのためには立派な日本庭園が必要、とは限りません。小さなスペースの和風の庭が大きな魅力を放っている実例を見てみましょう。
日本で最初期の庭園は、庭師が有力氏族のためにつくった飛鳥時代といわれています。大きな池に小島を所どころに配し、州浜(海岸のある砂浜)と海をイメージしたもので、壮大なものだったということがわかっています。その後、池に重きを置いた寝殿造りの庭園、『作庭記』が書かれた時代の浄土式庭園、書院造りや禅僧の影響を受けた禅宗庭園、桂離宮に代表される回遊式庭園など、さまざまな様式が生まれました。
歴史と伝統がある日本庭園ですから、ともすれば特別なもの、大きな庭でこそ実現可能なものと思われがちです。確かに本格的なものを望むならそうかもしれませんが、筆者は和風の植栽や石や木の質感さえあれば、小さなスペースでも格式と癒しを得る大満足の庭が可能だと考えます。この記事では、現在の日本の住宅にある和風の小さな庭を取り上げ、その魅力をお伝えしたいと思います。
歴史と伝統がある日本庭園ですから、ともすれば特別なもの、大きな庭でこそ実現可能なものと思われがちです。確かに本格的なものを望むならそうかもしれませんが、筆者は和風の植栽や石や木の質感さえあれば、小さなスペースでも格式と癒しを得る大満足の庭が可能だと考えます。この記事では、現在の日本の住宅にある和風の小さな庭を取り上げ、その魅力をお伝えしたいと思います。
ちょっとしたスペースでも和庭はつくれます。こちらは、ウッドフェンスで囲んだ小さなスペースに、植栽、苔、石、砂利を敷き詰めてミニ日本庭園をつくった事例。とても小さいとはいえ、十二分に和風の庭の存在感を放ち、室内から見るとゆとりの空間に感じるのがすばらしい効能です。
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2.庭を兼ねたアプローチを和風でまとめる
庭の一部に長いアプローチがほしい場合、または旗竿地でのアイデアとしておすすめしたい事例です。広大な日本庭園をつくらずとも、家の顔であるアプローチで和の風景をつくれば、格調高い住まいの演出になることがよくわかります。住む人もゲストも、通るたびに和モダンな美意識を楽しんでいることでしょう。
庭の一部に長いアプローチがほしい場合、または旗竿地でのアイデアとしておすすめしたい事例です。広大な日本庭園をつくらずとも、家の顔であるアプローチで和の風景をつくれば、格調高い住まいの演出になることがよくわかります。住む人もゲストも、通るたびに和モダンな美意識を楽しんでいることでしょう。
駐車スペースと前庭を兼ねた小さめのアプローチを、和風の庭の趣にした実例です。植栽、石、左官のような塀をアクセントに、ジャパニーズテイストが表現されています。
シンプルな外構だったら、と仮定すると、こちらの方がぐっと高級感が出ていることに気がつくはずです。
狭い庭を活かすための4つのヒント
シンプルな外構だったら、と仮定すると、こちらの方がぐっと高級感が出ていることに気がつくはずです。
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部屋から続くウッドデッキの中庭の奥に注目です。和の趣の植栽や石を一部分にのみ施工したにもかかわらず、その存在感は大きく、フォーカルポイントとなっています。隅に和テイストがあることで奥行きを感じさせるテクニック、ぜひ真似したいものです。
狭くて小さな庭でも広く見せるテクニック
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寝室とテラスの間につくられた小さな庭の存在は、空間と空間を繋げるクッション材のようにやわらかな印象。すぐに明るいテラスにつながるよりも心地よく目覚めることができそうです。
小さな和庭は、日々の暮らしに大きな潤いを与えてくれるすぐれもの。ぜひチャレンジしてみてください。
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さわやかな緑を楽しむ和風の庭、日本庭園30選
自宅に日本庭園をつくるには?烏賀陽百合さんに聞く
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小さな和庭といえば、まず思い浮かぶのが光と風を呼び込む坪庭。京都などの昔ながらの町屋造りでよく見られます。
こちらの現代住宅の事例では、外からの視線が気にならないコの字型の縁側が特徴的で、まさに眺めるため、癒しを求めるためにつくられたものだということが想像できます。灯篭や蹲(つくばい)を美しく配置した小さな庭は、日々の疲れを忘れさえてくれる住む人だけのパワースポットなのかもしれません。