甲陽園の家
元々の設計は、縁無し畳敷きに壁・天井ともビニルクロス張りのシンプルな和室でした。工事中にクライアント側から壁に金箔を貼りたい、とのご要望が出たことで急遽、デザインを根本から考え直し、金箔に伍する素材をと考えた結果、漆黒の漆和紙と生成りの彩色和紙、という存在感のある素材と組み合わせるデザイン構成をイメージしました。金箔に負けないトコの形式は蹴込み床形式とし、漆塗りのような黒の鏡面塗装としました。よって障子も黒塗装とし障子紙を部分的に傘ね張りとして円形が浮かび上がるような意匠としました。