カジュアルにもクラシカルにも。レンガで彩る秋の庭づくり
アイデア次第で変幻自在の素材、レンガ。その魅力をご紹介します。
夏が終わり、もうすぐ秋がやってきます。気持ちのいい風が吹き、庭仕事が楽しい季節ですね。この秋に庭の改造を計画中の方におすすめしたいマテリアルが「レンガ」。誰もが知っているレンガは変幻自在のオールマイティさと、流行に左右されないのが魅力です。大人っぽくもかわいくもなる、カジュアルにもクラシカルにもなる、レンガの様々な敷き方、積み方をご紹介します。
日本でも奈良時代からレンガを使用していたことが明らかになっています。それは建築用ではなく、舗装用としての利用が主でした。日本の多湿な風土には、レンガ建築は不向きでした。レンガは湿度をため込む性質を持ち、日本で建築に利用すると室内の湿度が逃げにくくなってしまいます。建材として材木に劣るレンガは日本では広く普及しませんでした。
あらためて江戸末期から明治にかけて西洋文化の流入とともに、新時代の象徴のごとくレンガ建築が造られていきます。こうしてレンガが日本の街を彩るようになっていきました。
あらためて江戸末期から明治にかけて西洋文化の流入とともに、新時代の象徴のごとくレンガ建築が造られていきます。こうしてレンガが日本の街を彩るようになっていきました。
レンガは今や庭や外構では人気のマテリアルとして活躍しています。レンガは土を焼いた直方体という、非常にシンプルなものです。そのため、使い方次第で様々な表情をつくることができます。
レンガは大きく分けて敷く、積むの使い方ができます。それぞれのスタイルをご紹介していきます。
スタイルから考える花壇
レンガは大きく分けて敷く、積むの使い方ができます。それぞれのスタイルをご紹介していきます。
スタイルから考える花壇
こちらの事例では、レンガの向きは変わらずにアプローチの方向が変わり、結果としてレンガの表情に変化が生まれています。アプローチでは、歩く方向に対してレンガが横になるように目地の向きを決めることが多いですが、動線に対して縦にすると奥行きを感じられるのびやかなラインができあがります。アプローチの長さや庭全体のデザインとともに目地の向きもよく検討するとおもしろいですよ。
敷く
②ヘリンボーン+土目地
レンガ敷きのスタイルの中で、人気なのがヘリンボーン。ヘリンボーンとはニシンの骨という意味の英語です。魚を開いたときの骨に似て見えることから名づけられました。ラベンダーで縁取られたヘリンボーンの小道は、田舎っぽさのあるナチュラルな雰囲気。目地にはモルタルをつめずに土をつめてあります。素朴な雰囲気にぴったりのレンガ使いです。
②ヘリンボーン+土目地
レンガ敷きのスタイルの中で、人気なのがヘリンボーン。ヘリンボーンとはニシンの骨という意味の英語です。魚を開いたときの骨に似て見えることから名づけられました。ラベンダーで縁取られたヘリンボーンの小道は、田舎っぽさのあるナチュラルな雰囲気。目地にはモルタルをつめずに土をつめてあります。素朴な雰囲気にぴったりのレンガ使いです。
敷く
③ヘリンボーン+眠り目地
眠り目地とは、レンガとレンガを直接ぶつけて隙間をつくらない目地のことです。目地による調整がきかないため、均一な素材でなければ難しい施工方法です。そのため自然石より均一なレンガに向いている施工方法といえるでしょう。レンガでもアンティーク風の欠けがあるものではなく、きっちりと角が出ているようなものの方が施工しやすいです。
先ほどのヘリンボーンとは違い、クラシカルで上品な雰囲気に。レンガの色味も均一で、格式の高い空間になっています。
③ヘリンボーン+眠り目地
眠り目地とは、レンガとレンガを直接ぶつけて隙間をつくらない目地のことです。目地による調整がきかないため、均一な素材でなければ難しい施工方法です。そのため自然石より均一なレンガに向いている施工方法といえるでしょう。レンガでもアンティーク風の欠けがあるものではなく、きっちりと角が出ているようなものの方が施工しやすいです。
先ほどのヘリンボーンとは違い、クラシカルで上品な雰囲気に。レンガの色味も均一で、格式の高い空間になっています。
敷く
④バスケットウィーブ+モルタル目地
レンガを2個ずつのセットで組み合わせていくので、敷きやすさはダントツです。カーブを作ることには向いていないので、テラスのような広い面積の場所で使うのにおすすめです。
四角を組み合わせたデザインとなっているため、きっちりとした堅牢なイメージになります。カジュアルすぎない庭にぴったりです。
④バスケットウィーブ+モルタル目地
レンガを2個ずつのセットで組み合わせていくので、敷きやすさはダントツです。カーブを作ることには向いていないので、テラスのような広い面積の場所で使うのにおすすめです。
四角を組み合わせたデザインとなっているため、きっちりとした堅牢なイメージになります。カジュアルすぎない庭にぴったりです。
敷く
⑤ジャックオンジャック+モルタル目地
目地が縦横通っているものをジャックオンジャックと言います。日本語では芋目地と呼ばれています。きちんと並んだレンガが行儀よくすっきりとしています。少しモダンな雰囲気も持ち、シンプルなレンガの使い方ができます。眠り目地と組み合わせても、素敵に仕上がりそうですね。
画像のようにレンガの階段を作るときは、踏面のレンガを立ち上がりのレンガから少し飛び出して施工しましょう。立体感が出て、存在感のある階段に仕上がります。
⑤ジャックオンジャック+モルタル目地
目地が縦横通っているものをジャックオンジャックと言います。日本語では芋目地と呼ばれています。きちんと並んだレンガが行儀よくすっきりとしています。少しモダンな雰囲気も持ち、シンプルなレンガの使い方ができます。眠り目地と組み合わせても、素敵に仕上がりそうですね。
画像のようにレンガの階段を作るときは、踏面のレンガを立ち上がりのレンガから少し飛び出して施工しましょう。立体感が出て、存在感のある階段に仕上がります。
敷く
⑥アンティーク煉瓦+土目地
近頃お庭のテイストとして注目を浴びているシャビーシックなスタイルにおすすめ。シャビーシックとはアンティークなどを取り入れた、古びて味わいのある雰囲気のことを指します。
アンティークレンガの中には文字が刻まれているものもあり、レンガがどのようなものに使われていたのかなど、想像が膨らむ楽しさも。
目地や下地はしっかりと作りこまない、手作り感のある土目地がよく合います。土目地からは雑草が生えてしまいますが、多少の雑草もアンティークレンガを引立たせる存在になりますよ。
アンティーク、ヴィンテージ、レトロ、ユーズドの違いとは?
⑥アンティーク煉瓦+土目地
近頃お庭のテイストとして注目を浴びているシャビーシックなスタイルにおすすめ。シャビーシックとはアンティークなどを取り入れた、古びて味わいのある雰囲気のことを指します。
アンティークレンガの中には文字が刻まれているものもあり、レンガがどのようなものに使われていたのかなど、想像が膨らむ楽しさも。
目地や下地はしっかりと作りこまない、手作り感のある土目地がよく合います。土目地からは雑草が生えてしまいますが、多少の雑草もアンティークレンガを引立たせる存在になりますよ。
アンティーク、ヴィンテージ、レトロ、ユーズドの違いとは?
積む
①濃色レンガ+白目地
レンガは敷くだけでなく、積んで塀や花壇などにも利用されます。積みレンガだからこそかわいいのが白目地。敷きレンガに白目地を使うと汚れが目立ってしまうことが多いですが、積むのであればアクセントになります。まるでおとぎ話に出てきそうなかわいいレンガ積みができあがります。写真のように目地の色で雰囲気ががらりと変わるので、目地までしっかり考えて設計しましょう。
シンプルなホワイトタイルを表情豊かに使う8つの方法
①濃色レンガ+白目地
レンガは敷くだけでなく、積んで塀や花壇などにも利用されます。積みレンガだからこそかわいいのが白目地。敷きレンガに白目地を使うと汚れが目立ってしまうことが多いですが、積むのであればアクセントになります。まるでおとぎ話に出てきそうなかわいいレンガ積みができあがります。写真のように目地の色で雰囲気ががらりと変わるので、目地までしっかり考えて設計しましょう。
シンプルなホワイトタイルを表情豊かに使う8つの方法
積む
②レンガ積み+笠木
笠木とは、塀や壁などの一番上にかぶせるもののことです。水切りの役目とともに装飾的な意味も持ちます。笠木があると全体がどっしりと落ち着き、クラシカルな印象に。高い塀には笠木がないと頼りないように見えますので、必ず載せた方が良いでしょう。レンガ積みの上の笠木はレンガでなくても、石材を使うことができます。
笠木はあまり薄いものだと見た目が悪いので、ある程度の厚さがあるものに。背の低い花壇も笠木を乗せるとしっかりとした見た目になります。
②レンガ積み+笠木
笠木とは、塀や壁などの一番上にかぶせるもののことです。水切りの役目とともに装飾的な意味も持ちます。笠木があると全体がどっしりと落ち着き、クラシカルな印象に。高い塀には笠木がないと頼りないように見えますので、必ず載せた方が良いでしょう。レンガ積みの上の笠木はレンガでなくても、石材を使うことができます。
笠木はあまり薄いものだと見た目が悪いので、ある程度の厚さがあるものに。背の低い花壇も笠木を乗せるとしっかりとした見た目になります。
積む
③レンガ積み+ペンキ
この白い壁はレンガ積みをした上からペンキでベタ塗したものです。せっかくきれいに積んだレンガがもったいない……という気もしますが、予想以上におしゃれに仕上がります。既存のレンガ積みを生まれ変わらせる方法としても活用できます。海外ではこのようなレンガ壁がよく見られ、古くからあるレンガ造の建物をリノベーションする際に行われる手法です。
③レンガ積み+ペンキ
この白い壁はレンガ積みをした上からペンキでベタ塗したものです。せっかくきれいに積んだレンガがもったいない……という気もしますが、予想以上におしゃれに仕上がります。既存のレンガ積みを生まれ変わらせる方法としても活用できます。海外ではこのようなレンガ壁がよく見られ、古くからあるレンガ造の建物をリノベーションする際に行われる手法です。
キレイに塗らなくても、色ムラのある状態で仕上げるのも味わいがあります。アンティークなどを飾ってもサマになりそうですね。
レンガの敷きと積みでの様々な使い方をご紹介しました。目地や端部の処理でレンガはたくさんの表情を見せてくれます。レンガは少量ずつ運搬することもできるので、秋のDIYにチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 建物や庭の雰囲気に合わせて、レンガの使い方、並べ方、目地の入れ方、こだわって作ってみましょう。
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レンガの歴史はメソポタミア文明までさかのぼります。建材として木材が容易に手に入らない地域では、土を固めて日干ししたものを建材として使い始めました。これがレンガの始まりです。建物を作るために効率良くレンガを積むには、平たい形で大きさがそろっていること、手に持ちやすいサイズ・重さであることが求められます。その結果、現在のレンガの大きさになりました。
現在は日干しの代わりに窯で焼いて焼成するのが一般的です。この窯で焼く際に、土に含まれる鉄分が酸化し赤っぽくなります。レンガの奥深い色は天然の色合いなんですね。