世界の専門家が注目する、サステナブルな住まいづくりのかたちとは?
今後期待されるサステナブル=持続可能なソリューションとは?Houzzで活躍する世界の専門家に伺いました。
環境問題を解決するのは容易ではありませんが、持続可能な発展に向けた歩みを止めるわけにはいきません。まだ道のりは長いものの、建築や住まい作りの分野では多くの環境配慮型プロジェクトが見られます。
「サステナブル(持続可能)であることとは、『素晴らしい』製品やサービスを一つや二つ提供することではなく、むしろ小さなスケールの働きかけを積み重ねることで大きなインパクトを与えることだと、私は考えています」と話すのは、Fiftypointeight Architecture + Interiors(イギリス)の建築家、アンガス・アイテルさんです。
世界中のHouzz専門家に、注目に値するサステナブルなソリューションについて伺いました。
「サステナブル(持続可能)であることとは、『素晴らしい』製品やサービスを一つや二つ提供することではなく、むしろ小さなスケールの働きかけを積み重ねることで大きなインパクトを与えることだと、私は考えています」と話すのは、Fiftypointeight Architecture + Interiors(イギリス)の建築家、アンガス・アイテルさんです。
世界中のHouzz専門家に、注目に値するサステナブルなソリューションについて伺いました。
空設計工房による認定低炭素住宅は、パッシブデザインの原理に基づいて建てられたものです。
アイテルさんはパッシブ建築の別の重要な側面についても強調します。それは、高断熱・高気密建築を実現するための建築外皮を重視したアプローチです。
こうした技術の利点は、住宅オーナーも利用可能であるということです。プロジェクトの最初の段階で取り入れるのが最適だと、ノーティンさんはいいます。
アイテルさんはパッシブ建築の別の重要な側面についても強調します。それは、高断熱・高気密建築を実現するための建築外皮を重視したアプローチです。
こうした技術の利点は、住宅オーナーも利用可能であるということです。プロジェクトの最初の段階で取り入れるのが最適だと、ノーティンさんはいいます。
トーマス・ドーバーさん設計による住宅。ヒートポンプと木材と断熱材の併用やヒートポンプの利用により、高齢者の新しい生活モデルを体現しています。
断熱材と熱効率における技術革新
断熱と熱効率については、数多くのイノベーションが見られます。「断熱材は、厚さを抑えつつも断熱性能が改善しています。また、三層複層ガラスの普及により窓の熱効率が向上するなど、素材も着実に良くなってきています」とアイテルさんは話します。「最近私たちが調べているのは『エアロゲル断熱材』です。これは、壁、床、屋根に使用される超高性能な断熱材で、隙間が非常に狭く薄い断熱材しか使用できないような補修、改装にぴったりです」
これらの新しい素材は、一般住宅の施主でも利用できるものなのでしょうか?「高断熱性や高気密性の実現は、新築や増築工事の場合は難しくありませんが、改装工事(リノベーション)となるとそうとはいきません」とアイテルさんは答えます。
イタリアの建築家マリア・エリサ・ヴィラさんは、「わずか数センチの厚みしかない断熱石膏ボードなど、サステナブルで効果的な新製品を作りだすナノテクノロジー」に注目しているそうです。これらの製品はすでに市場で流通していても、専門家の間にでさえ、まだあまり知られていない、とヴィラさんはいいます。
一方で、ドイツの建築家トーマス・ドーバーさんは、伝統的な素材を同じように利用する方法に注目します。断熱に関して、木造の建築は組積造の建築より壁厚を薄くできると彼は指摘します。さらに、セルロース系または羊毛断熱材を使用することで、壁厚たった20センチで家を暖めることができるそうです。
断熱材と熱効率における技術革新
断熱と熱効率については、数多くのイノベーションが見られます。「断熱材は、厚さを抑えつつも断熱性能が改善しています。また、三層複層ガラスの普及により窓の熱効率が向上するなど、素材も着実に良くなってきています」とアイテルさんは話します。「最近私たちが調べているのは『エアロゲル断熱材』です。これは、壁、床、屋根に使用される超高性能な断熱材で、隙間が非常に狭く薄い断熱材しか使用できないような補修、改装にぴったりです」
これらの新しい素材は、一般住宅の施主でも利用できるものなのでしょうか?「高断熱性や高気密性の実現は、新築や増築工事の場合は難しくありませんが、改装工事(リノベーション)となるとそうとはいきません」とアイテルさんは答えます。
イタリアの建築家マリア・エリサ・ヴィラさんは、「わずか数センチの厚みしかない断熱石膏ボードなど、サステナブルで効果的な新製品を作りだすナノテクノロジー」に注目しているそうです。これらの製品はすでに市場で流通していても、専門家の間にでさえ、まだあまり知られていない、とヴィラさんはいいます。
一方で、ドイツの建築家トーマス・ドーバーさんは、伝統的な素材を同じように利用する方法に注目します。断熱に関して、木造の建築は組積造の建築より壁厚を薄くできると彼は指摘します。さらに、セルロース系または羊毛断熱材を使用することで、壁厚たった20センチで家を暖めることができるそうです。
HI Architektur(ドイツ)による木とコンクリートの混構造建築。貯湯タンクの付いたブライン仕様のヒートポンプを備えており、電気は屋根面の太陽光パネルから供給します。
いまの暮らしに合う暖房とは?
暖房による快適性は、もちろんパッシブデザイン最大の課題のひとつであるといえます。専門家たちがこの分野におけるイノベーションについて強調していたのも、不思議ではありません。
すわ製作所の眞田大輔さんが着目するのは、太陽熱などを使ってサステナブルに家を温める方法を分析するエクセルギーの理論です。「その分析結果を使って、屋根や窓のデザイン、植栽の選定、冷暖房設備の最適解を導き出し、限りなく環境負荷の少ない建築を生み出すことができます」と眞田さんは話します。
現在注目しているのが、放射熱(輻射熱)を利用する暖房です。「放射熱を利用した温熱環境では、空気ではなく、室内の壁や床の表面温度が重要なため、換気の際に窓を開け、せっかく暖めたり冷やしたりした空気が逃げ出しても、急に部屋が寒くなったり暑くなったりする事はありません。コロナ禍において、換気の重要性が注目されている中で、エクセルギーザインによる放射熱を利用した温熱環境は大変重要になってくると思います」
いまの暮らしに合う暖房とは?
暖房による快適性は、もちろんパッシブデザイン最大の課題のひとつであるといえます。専門家たちがこの分野におけるイノベーションについて強調していたのも、不思議ではありません。
すわ製作所の眞田大輔さんが着目するのは、太陽熱などを使ってサステナブルに家を温める方法を分析するエクセルギーの理論です。「その分析結果を使って、屋根や窓のデザイン、植栽の選定、冷暖房設備の最適解を導き出し、限りなく環境負荷の少ない建築を生み出すことができます」と眞田さんは話します。
現在注目しているのが、放射熱(輻射熱)を利用する暖房です。「放射熱を利用した温熱環境では、空気ではなく、室内の壁や床の表面温度が重要なため、換気の際に窓を開け、せっかく暖めたり冷やしたりした空気が逃げ出しても、急に部屋が寒くなったり暑くなったりする事はありません。コロナ禍において、換気の重要性が注目されている中で、エクセルギーザインによる放射熱を利用した温熱環境は大変重要になってくると思います」
Harvest Cornwall社による地中熱ヒートポンプシステムのイメージ図
特に新型コロナウイルスについては、換気が大きな課題であるとアイテルさんも同意します。「淀んだ空気の熱を取り出して、給気した新鮮な空気と交換し、室内全体を最適な室温と新鮮な空気で満たす熱回収システム(MVHR)などの換気システムの設置が増加しています」
しかしながら、欠点もあります。「空冷ヒートポンプは住宅用途の創エネルギー(暖房、温水)における最近の流行です。しかし代替手段として、高価ではありますが、騒音や建物の美観を損なうなどの問題を解決できる地中熱ヒートポンプも有効です」
イタリアの建築家であるミシェル・ペルリーニさんは、最新の技術を挙げています。「私は触媒反応を利用し、炎や二酸化炭素を排出せずに室内を暖める新しい水素ファンヒーターについてお話しします。この触媒は約300度の温度で反応し、有害な窒素酸化物(NOx)を発生しません。触媒反応によって排出されるものは水蒸気だけで、二酸化炭素や汚染物質は排出しません。また水蒸気は安全に空気中に排出されます」と彼はいいます。
特に新型コロナウイルスについては、換気が大きな課題であるとアイテルさんも同意します。「淀んだ空気の熱を取り出して、給気した新鮮な空気と交換し、室内全体を最適な室温と新鮮な空気で満たす熱回収システム(MVHR)などの換気システムの設置が増加しています」
しかしながら、欠点もあります。「空冷ヒートポンプは住宅用途の創エネルギー(暖房、温水)における最近の流行です。しかし代替手段として、高価ではありますが、騒音や建物の美観を損なうなどの問題を解決できる地中熱ヒートポンプも有効です」
イタリアの建築家であるミシェル・ペルリーニさんは、最新の技術を挙げています。「私は触媒反応を利用し、炎や二酸化炭素を排出せずに室内を暖める新しい水素ファンヒーターについてお話しします。この触媒は約300度の温度で反応し、有害な窒素酸化物(NOx)を発生しません。触媒反応によって排出されるものは水蒸気だけで、二酸化炭素や汚染物質は排出しません。また水蒸気は安全に空気中に排出されます」と彼はいいます。
Ecosphericによるヴィクトリアンハウス。パッシブハウス基準に従って全体を改修し、太陽光発電設備や熱回収システム(MVHR)を取り入れています。
エネルギー貯蔵の課題
お話を伺った専門家のなかには、持続可能なエネルギー管理の主要な障害としてエネルギー貯蔵を挙げる方もいました。「電気を貯蔵するのはとても困難であり高価です。…貯蔵は蓄電池を設置することで実現できます。これまではTesla社のPowerwallがありましたが、最近はこれ以外のソリューションもでてきて、価格も下がってきました」とアイテルさんはいいます。
アイテルさんは、前述の地中熱ヒートポンプのような暖房技術も、似たような課題に直面していると指摘します。
「夏には豊富な余剰熱を得ることができますが、暖房のピーク需要は冬の夜間に訪れます」。期待できるソリューションのひとつが、季節間蓄熱という、蓄熱した熱を季節をまたいで利用する方法です。
もちろん、エネルギー貯蔵については、蓄電池自体の製造についても考慮する必要があります。リチウムを使用する製造過程だけでなく、廃棄過程においても、環境的な課題をがあるとアイテルさんはいいます。
エネルギー貯蔵の課題
お話を伺った専門家のなかには、持続可能なエネルギー管理の主要な障害としてエネルギー貯蔵を挙げる方もいました。「電気を貯蔵するのはとても困難であり高価です。…貯蔵は蓄電池を設置することで実現できます。これまではTesla社のPowerwallがありましたが、最近はこれ以外のソリューションもでてきて、価格も下がってきました」とアイテルさんはいいます。
アイテルさんは、前述の地中熱ヒートポンプのような暖房技術も、似たような課題に直面していると指摘します。
「夏には豊富な余剰熱を得ることができますが、暖房のピーク需要は冬の夜間に訪れます」。期待できるソリューションのひとつが、季節間蓄熱という、蓄熱した熱を季節をまたいで利用する方法です。
もちろん、エネルギー貯蔵については、蓄電池自体の製造についても考慮する必要があります。リチウムを使用する製造過程だけでなく、廃棄過程においても、環境的な課題をがあるとアイテルさんはいいます。
オーストラリアにあるArchierのSawmill Houseは重さ1トンのコンクリートブロックが270個使用されており、毎年何千トンと廃棄されるコンクリートを活用する可能性を模索しています。
リサイクルすることと「ゆりかごからゆりかごへ」
これまでさまざまな議論がなされてきたリサイクルについても面白い進歩があったと専門家たちは教えてくれます。
小さなスケールでは、www.100détours.comのように建具などの建材をリサイクルして製作された家具やアップサイクルされた窓が近年増加していることをフランスの建築家、ティナ・メルケさんは指摘します。
より大きなスケールでは、住宅建設全般においてライフサイクルの考え方に進歩があったことを複数の建築家が指摘してします。「既存の建物を解体、建替えせずにリサイクル、再使用、転用する必要性を支持する『動き』が加速しています。
イギリスではリサイクル等を実施することでVAT(付加価値税)の緩和を享受することができるため好まれます。個人的には、新築ではなく既存建築に対して0%VATを適用するべきだと思います」とアイテルさんはいいます。
オーストラリアの建築家レベッカ・ノーティンさんは次のように話します。「建物のライフサイクル分析やマテリアル『パスポート』技術における進歩が、循環型経済の実現に向けて期待される次のステップです」
ドイツを拠点とするBüro für bauformの建築家、ユルゲン・レーメイヤーさんは、何が必要かを問うことで、手元にある素材に対して異なる見方ができる場合もあると指摘します。「サステナブルな建物とは、素材を循環させることも意味します。スチールのCO2排出・吸収のバランスはその製造過程のみが検証されるため、いつでもマイナスに捉えられています。このアプローチで欠けているのは、スチールは繰り返し使うことができるということで、その点では非常に持続可能といえるでしょう」
リサイクルすることと「ゆりかごからゆりかごへ」
これまでさまざまな議論がなされてきたリサイクルについても面白い進歩があったと専門家たちは教えてくれます。
小さなスケールでは、www.100détours.comのように建具などの建材をリサイクルして製作された家具やアップサイクルされた窓が近年増加していることをフランスの建築家、ティナ・メルケさんは指摘します。
より大きなスケールでは、住宅建設全般においてライフサイクルの考え方に進歩があったことを複数の建築家が指摘してします。「既存の建物を解体、建替えせずにリサイクル、再使用、転用する必要性を支持する『動き』が加速しています。
イギリスではリサイクル等を実施することでVAT(付加価値税)の緩和を享受することができるため好まれます。個人的には、新築ではなく既存建築に対して0%VATを適用するべきだと思います」とアイテルさんはいいます。
オーストラリアの建築家レベッカ・ノーティンさんは次のように話します。「建物のライフサイクル分析やマテリアル『パスポート』技術における進歩が、循環型経済の実現に向けて期待される次のステップです」
ドイツを拠点とするBüro für bauformの建築家、ユルゲン・レーメイヤーさんは、何が必要かを問うことで、手元にある素材に対して異なる見方ができる場合もあると指摘します。「サステナブルな建物とは、素材を循環させることも意味します。スチールのCO2排出・吸収のバランスはその製造過程のみが検証されるため、いつでもマイナスに捉えられています。このアプローチで欠けているのは、スチールは繰り返し使うことができるということで、その点では非常に持続可能といえるでしょう」
Ora Architetti(イタリア)によって修復されたこの農村住宅は地元の木や石を利用し、太陽光パネルや木質繊維断熱材を取り入れています。住宅には工事で切り崩した地面から出た石が再使用され、伝統的な建築要素を取り入れています。
自然素材と伝統工法の再発見
専門家の多くは既に流通しているまたは変形・改良された自然素材や伝統的な技術を見直すことを推奨しています。「自然素材は健康かつ健全であり、暑さ寒さに対する優れた断熱性能を持っています。私たちの第三の皮膚だといえる住宅が、呼吸することを可能にします」とArchingreen(イタリア)の建築家ロベルタ・トレディーチさんは言います。
この方法により新築工事と既存建物の更新の両方を持続可能に実施することができると彼女は指摘します。「卵、牛乳、亜麻仁油、テラコッタなどを原料とする天然塗料や木炭や胡桃の皮など野菜や植物由来の顔料、また一般的な石膏、床材、仕上げ材で、室内空気汚染を低減し、最小限の介入で居住環境を改善できるものがあります」
自然素材と伝統工法の再発見
専門家の多くは既に流通しているまたは変形・改良された自然素材や伝統的な技術を見直すことを推奨しています。「自然素材は健康かつ健全であり、暑さ寒さに対する優れた断熱性能を持っています。私たちの第三の皮膚だといえる住宅が、呼吸することを可能にします」とArchingreen(イタリア)の建築家ロベルタ・トレディーチさんは言います。
この方法により新築工事と既存建物の更新の両方を持続可能に実施することができると彼女は指摘します。「卵、牛乳、亜麻仁油、テラコッタなどを原料とする天然塗料や木炭や胡桃の皮など野菜や植物由来の顔料、また一般的な石膏、床材、仕上げ材で、室内空気汚染を低減し、最小限の介入で居住環境を改善できるものがあります」
健康的なマテリアルを使用した、Tina Merkes Architectureによるデザイン。
マリア・エリサ・ヴィラさんも同じ意見です。「私にとって、木、木質繊維、コルク、石灰、粘土、樹脂塗料などは常に革新的な素材です」と彼女は話します。Melle-Metzen Architectsの建築家、フルヴィオ・クラウディオ・メレさんも、建築材料への化学製品の使用を大幅に減少することを提唱し、「植物繊維や羊毛、鉱物由来の染料、カゼインを原料とする低揮発性接着剤を使用した断熱材」を支持していると話します。
ドーバーさんは木造を支持しているものの、ドイツではコンクリート造や組積造がより一般的です。彼は木材が再生可能な資源であり、ヒートシンクとして機能する上、比較的容易にリサイクルすることができると指摘します。
しかし、伝統的な自然素材や技術については、代替品として手軽な工業製品が好まれるなかで、自然素材を扱うことができる職人を探すことがむしろ課題であるとヴィラは指摘します。少なくともイタリアでは、こういったスキルは建設よりも、美術品の保全の分野で維持されており、素材自体のコストではなく人件費によってこれらのアプローチが高額になるといいます。
マリア・エリサ・ヴィラさんも同じ意見です。「私にとって、木、木質繊維、コルク、石灰、粘土、樹脂塗料などは常に革新的な素材です」と彼女は話します。Melle-Metzen Architectsの建築家、フルヴィオ・クラウディオ・メレさんも、建築材料への化学製品の使用を大幅に減少することを提唱し、「植物繊維や羊毛、鉱物由来の染料、カゼインを原料とする低揮発性接着剤を使用した断熱材」を支持していると話します。
ドーバーさんは木造を支持しているものの、ドイツではコンクリート造や組積造がより一般的です。彼は木材が再生可能な資源であり、ヒートシンクとして機能する上、比較的容易にリサイクルすることができると指摘します。
しかし、伝統的な自然素材や技術については、代替品として手軽な工業製品が好まれるなかで、自然素材を扱うことができる職人を探すことがむしろ課題であるとヴィラは指摘します。少なくともイタリアでは、こういったスキルは建設よりも、美術品の保全の分野で維持されており、素材自体のコストではなく人件費によってこれらのアプローチが高額になるといいます。
スペイン人建築家マリア・カステロさんによる住宅。限られた予算のなかで、自然素材やパッシブデザイン技術を活用しています。
利用できる技術であることが重要
当然のことですが、世界一優れたイノベーションも、誰も利用できなければ意味がありません。「私たちにとって、持続可能性は常に環境的な側面だけでなく、経済的な側面を持っています。知識が豊富で有能なサプライヤーの力を借りることで、手頃な価格で、誰もが手が届くグリーンビルディングを実現できると私たちは信じています」とトレディーチさんはいいます。
インテリアデザイン会社Ouvrage(フランス)のインテリアデザイナー、マイッサ・エル・ファキアさんも同意します。「インテリアデザイナーである私にとって、サステナビリティの面でここ数年最も変化したことといえば、ビンテージ家具が入手しやすくなったことだと思います。長い間ビンテージ家具は、時間に余裕があり、買い物上手で、日曜日の朝に早起きしてフリーマーケットに行くような人たちのためのものでした。しかし今では、さまざまなプラットフォームが開発され、ビンテージ製品に手が届きやすくなりました」
「ここ数年で大きな進歩を遂げたものとして、健康的な(VOCフリー)な素材も挙げられます」とファキールは付け加えます。「以前は高価な塗料のみでしたが、今ではさまざまな価格帯のブランドの多くが同様の製品を取り扱っています。その市場はすでに成長を始めています」
利用できる技術であることが重要
当然のことですが、世界一優れたイノベーションも、誰も利用できなければ意味がありません。「私たちにとって、持続可能性は常に環境的な側面だけでなく、経済的な側面を持っています。知識が豊富で有能なサプライヤーの力を借りることで、手頃な価格で、誰もが手が届くグリーンビルディングを実現できると私たちは信じています」とトレディーチさんはいいます。
インテリアデザイン会社Ouvrage(フランス)のインテリアデザイナー、マイッサ・エル・ファキアさんも同意します。「インテリアデザイナーである私にとって、サステナビリティの面でここ数年最も変化したことといえば、ビンテージ家具が入手しやすくなったことだと思います。長い間ビンテージ家具は、時間に余裕があり、買い物上手で、日曜日の朝に早起きしてフリーマーケットに行くような人たちのためのものでした。しかし今では、さまざまなプラットフォームが開発され、ビンテージ製品に手が届きやすくなりました」
「ここ数年で大きな進歩を遂げたものとして、健康的な(VOCフリー)な素材も挙げられます」とファキールは付け加えます。「以前は高価な塗料のみでしたが、今ではさまざまな価格帯のブランドの多くが同様の製品を取り扱っています。その市場はすでに成長を始めています」
パッシブデザインの可能性
アンガス・アイテルさん、そしてオーストラリアの建築家 レベッカ・ノーティンさんは、パッシブヒーティングおよびパッシブクーリングを活用するために、建物の方位や周囲の状況に気を配ることの重要性を強調します。これは「お金を使わずにエネルギーを節約するチャンス」であるとアイテルさんはいいます。
ノーティンさんは「敷地の方位や既存の状態の細かな違いについての理解が高まってきたことにより、機能的かつその場所の状況や特性を尊重した建物が建てられるようになってきたのは大きな進歩だと思います」と話します。「その土地の風向きを理解すると、パッシブクーリングのための通風効率を上げ、エネルギー消費をさらに抑えることができます」
空設計工房の江藤眞理子さんも同じ意見です。「(パッシブハウス性能基準に基づいた)エコハウスでの暮らしが広まることで、建物のエネルギー消費だけでなく、世界全体のエネルギー関連CO2排出量の30%以上を占めるといわれる建物のCO2排出量を大幅に減らすことができます」と江藤さんは話します。